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職人の声

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vol.1 クリーナー 吉永理恵・木崎淳

お客様目線のこだわり。

普段は入居者の方が退去したあとの、賃貸物件の清掃をしています。私たちは一人で仕事をすることが多く、お客様である不動産管理会社様やオーナー様と、直接やり取りを行うわけではないので、面と向かって、評価をお伺いする事はありません。仕事は、日々、自分との闘いになります。家の中をきれいにするために、自分流に、こだわりをもって、水廻り・サッシ・建具・床等あらゆるところを掃除するのです。実は、職人としてのこだわりよりも、もっと大切にしていることがあります。それは、お客様(オーナー様や入居者様)に喜んで頂けるかどうかということです。仕事の出来栄えを判断するのは、あくまでお客様です。いくら職人(自分)が満足しても、それがお客様から見て不十分だったら、意味がありません。職人のこだわりは、あくまでお客様目線であること・・・、これからも、日々、自分の最善を尽くすとともに、お客様に満足して頂けるこだわりを追及し続けます。

道具は職人の鑑(かがみ)。

職人になったばかりの頃、親方によく言われたことがあります、『道具を大切にしろ』。優秀な職人かどうかは、道具を見ればわかります。丁寧な仕事をしている職人の道具は、非常に手入れが行き届いているのです。昔、ある時、道具を踏んづけてしまう程に、道具が散乱したまま仕事をしていた時、親方にものすごく怒られました。その頃は気付くことができなかったのですが、今になってみると親方が怒った意味が非常によくわかります。自分の道具すら大切に出来ない職人に、お客様の物件がきれいにできるはずがない。職人としての実力をつけようと思ったらまずは自分の道具を丁寧に扱うことが鉄則だと思います。

弟子を見極める。

新しい職人が入ってきたら、親方となり面倒を見ます。マンツーマンで仕事を教えるのですが、今の時代、これがなかなか気を遣います。叱って伸びる弟子と、褒めて伸びる弟子がいるので、まず、それを見極めなくてはなりません。親方と弟子という関係の前に、一人の『人』として向き合います。手先が器用かどうか、といったことはあまり気にしません。正直、やる気と根性があればどうにでもなるのです。時にはどうしても怒らなければいけないこともありますが、周りに人がいないのを見計らって声をかけます。情緒的になっても、ドライになってもいけないので、なるべく普段の調子で話すようにします。その後はフォローを入れることも忘れません。弟子にはできるだけ優しくしたいのですが、修行期間が終われば、誰の手も借りずに、一人で仕事をしなければなりません。お客様に満足してもらうことが仕事ですし、目的なので、あえて厳しく接する様にしています。

自分らしく生きる職人。

(吉永)前職は、運送会社に勤務し、トラックの運転手をしていました。典型的な縦割り社会で、やりたいように仕事が出来ない・・・、前向きに仕事をしたかった私にとっては、気持ちよく働ける環境とは言えませんでした。そんな折、知人がやっていた職人稼業を知り、「自分の力と裁量で出来る仕事」に魅力を感じました。当然、自分の腕一本で稼ぐことには不安な部分もありましたが、何より「前向きに仕事がしたい」という自分の気持ちに素直になり、職人という道を選びました。今では、一生の仕事として、日々精進しています。

(木崎)私は、めぐり合わせというか、ある時、知人から、たまたま聞いて、「こころが惹かれた」ので、思い切って職人の世界に飛び込んでみました。自分が興味を持ったことを、とことんまで極めていく人生は楽しいですね。もちろん、辛いことは山ほどあります。ですが、限られた時間で、如何に、きれいにできるのか!? 自分の実力の限界に挑戦することはワクワクします。その挑戦から、今まで見たことがない新しい道が開けてくることもあります。
中途半端にやっていたのでは、いつまでも新しい道の風景を見ることはできません。私は、クリーナー職人という道を追及して行きますが、高校生の息子が、「親父のような職人になりたい」と言ってくれております。職人冥利に尽きると言うか、背中を見ていてくれたのかもしれません。
息子には、僕が選ばなかった、クロス職人への道を選んでもらいたいと思っています。そうすれば、まだ見ぬ、知らない景色を、息子と共に、これからも追い求めていけますから。

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