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コラム

経年劣化と通常損耗とは?賃貸物件の原状回復費用の範囲

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貸主と借り主の間で起こるトラブルの中でも特に多いのが、退去時の「原状回復」をめぐる問題です。原状回復とは、借り主が入居する前と同じような状態に部屋を戻すことを指します。原状回復にかかる費用のうち、年月の経過とともに自然に発生する経年劣化と、日常生活で生じる通常損耗については、貸主の負担と決められています。
今回は、経年劣化と通常損耗の意味や範囲、借り主に請求する場合の事例など、賃貸物件の原状回復についてご紹介します。

【目次】
1. 経年劣化とは?
2. 通常損耗の意味と範囲
3. 経年劣化・通常損耗を借り主に請求する場合
4. 貸主と借り主の認識の共有がトラブル回避のポイント

経年劣化とは?

建物や設備は、時間が経つほど価値が減少します。「形あるものいつか壊れる」という言葉があるように、建てられたときから年数が経てば経つほど少しずつ古くなって劣化し、いずれ不具合が出てきます。賃貸契約では、それを経年劣化と呼びます。

使用頻度が低いものや衝撃を与えたわけではないものでも、年数が経てば品質や性能は低下します。例えば、ネジや釘が錆びてスムーズに動かなくなったり、普段使っていなかった押し入れの引き戸が歪んで、開閉時に音が鳴るようになったりといったケースです。
また、窓がある限り日光が部屋に入ってくるのを、完全に防ぐことはできません。そのため、日光によるフローリングや畳の色あせ、壁紙の日焼けなども経年劣化に含まれます。

経年劣化のように、自然の流れで劣化していくものに対しては、入居者に責任はありません。

通常損耗の意味と範囲

どんなに気をつけていても、生活していく上で小さな傷や跡、汚れなどは必ず生じます。それが、通常損耗に当たるものです。

借り主の故意・過失ではなく、通常の生活を送る中で生じた物件の傷みが通常損耗です。一方、借り主が故意・過失によって傷や跡、汚れなどを生じさせた場合は「特別損耗」といいます。特別損耗は、借り主の負担です。
例えば、カレンダーやポスターなど掲示物を壁に貼るために画鋲を使用した穴は、生活上、仕方ないものと考えられています。しかし、無数の画鋲の跡や下地のボードまで貫通するような釘の使用は故意と見なされるため、特別損耗です。
また、子供が壁に絵を描いたり、汚してしまったりしたケースは、子供自身が故意に行っているものではありません。しかし、親はその行為を制止し、適切に部屋を管理する義務があります。そのため、子供が部屋を汚した場合は、通常損耗には含まれません。

貸主が負担する通常損耗の範囲は、最低限の注意を払い、きちんと掃除をしていても発生するものに限ります。
ほかにも、家具の設置による床やカーペットの凹み・設置跡、下地ボードに影響しない程度の画鋲の跡、テレビや冷蔵庫などの後ろの黒ずみ(電気焼け)などは通常損耗に当たります。

経年劣化・通常損耗を借り主に請求する場合

経年劣化・通常損耗に関しては、貸主の負担です。しかし、借り主が適切な管理をしていなかった場合は、原状回復費用を請求できます。

●経年劣化・通常損耗の場合
経年劣化や通常の使用による自然損耗などの修繕費用は、すでに賃料に含まれていると見なされます。そのため、特別なケースを除いて、基本的に借り主に請求することはできません。

●通常損耗を放置して二次被害が発生した場合
例えば、住んでいれば、扉の建て付けが悪くなることがあります。これは通常損耗となり、貸主の負担です。
しかし、建て付けが悪くなったことを貸主に報告せず、そのまま無理に使用し続けて扉が破損したり、壁を傷つけたりした場合は、借り主が必要な注意を払わなかったとされるため、修繕費用を請求できます。

●経年劣化・通常損耗を超える破損の場合
タバコのヤニが染み付いたり、落書きされたりしたクロスなど、借り主が気をつけて生活していれば付かないような傷みは借り主の負担となります。しかし、その場合でも原状回復費用を全額請求できるわけではありません。経年劣化と通常損耗を考慮した上で、差し引いた金額を請求することになります。

貸主と借り主の認識の共有がトラブル回避のポイント

程度にもよりますが、借り主が普通に生活をしていて生じた傷や汚れに対する原状回復費用は、原則貸主の負担です。「普通の生活」の線引きは難しいところですが、トラブルを避けるためには、貸主と借り主それぞれが経年劣化・通常損耗の範囲を認識しておくことが大切です。

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